平行線と角
学習のめあて
- 同位角・錯角・(必要に応じて)同側内角の意味を図で説明できる
- 平行線があるときに成り立つ角の性質を使って角度を求められる
- 同位角・錯角が等しいことを根拠に、2直線が平行であると判断できる
- 一直線の角・対頂角・三角形の内角の和などを組み合わせて複雑な角度問題を解ける
- 解答で「どの角とどの角が、なぜ等しい(または和が180°)のか」を文章で説明できる
解説
平行線と角は、角度問題の「土台」になる単元です。コツは、図を見たときに平行線を見つける → 等しい角(同位角・錯角)を作る → 180°や三角形で仕上げるという流れを身につけることです。
0. まずは角の超基本(必ず使います)
- 一直線の角:一直線上に並ぶとなり合う角の和は 180°。
例:∠1 + ∠2 = 180° - 対頂角:2直線が交わるとき、向かい合う角は等しい。
例:∠1 = ∠3 - 三角形の内角の和:三角形の3つの内角の和は 180°。
例:∠A + ∠B + ∠C = 180° - 三角形の外角:外角は、となり合わない2つの内角の和に等しい。
例:外角 = ∠A + ∠B
1. 平行線を横切る直線(横切る線を「横切る直線」や「横切線」と言います)
2直線 l と m が平行(l ∥ m)で、1本の直線 t がそれらを横切るとき、交点が2つできて角がたくさんできます。このとき、特に重要な角が次の3種類です。
2. 同位角(どういかく)
同位角は、2つの交点で同じ位置にできる角どうしです。
イメージ:上の交点の「右上」の角と、下の交点の「右上」の角のように、同じ向き・同じ場所にある角です。
- 性質:
l ∥ mのとき、同位角は等しい。 - 逆(平行の判定):同位角が等しければ、2直線は平行。
3. 錯角(さっかく)
錯角は、平行な2直線の内側にできる角で、横切る直線 t をはさんで左右に分かれる角どうしです。
- 性質:
l ∥ mのとき、錯角は等しい。 - 逆(平行の判定):錯角が等しければ、2直線は平行。
4. 同側内角(どうそくないかく)
同側内角は、平行線の内側にできる角で、横切る直線 t の同じ側にある角どうしです。錯角と違って左右に分かれず、同じ側に並びます。
- 性質:
l ∥ mのとき、同側内角の和は 180°。
中学の角度問題では、同位角・錯角で「等しい角」を作るだけでなく、同側内角で「180°になるペア」を作って解くこともよくあります。
5. 角度問題の王道手順(超重要)
- 平行の記号(∥)や、矢印の印を探す。平行が見つかったら勝ちに近づきます。
- 横切っている直線を確認し、同位角・錯角・同側内角のどれが使えるか決める。
- 等しい角ができたら、一直線 180°や対頂角で別の角もつなげる。
- 最後に三角形の内角 180°や外角で仕上げる。
- 答えるときは、理由を短く書く練習をします。
例:「l ∥ m より錯角が等しい」「一直線なので和が180°」など。
6. よくあるミス(ここを特に注意)
- 同位角と錯角を取り違える:同位角は「同じ位置」、錯角は「内側で左右に分かれる」。
- 内側・外側の見間違い:錯角・同側内角は「平行線の内側」にある角です。
- 180°を使う場所のミス:一直線のとなり合う角だけが 180°。向かい合う角(対頂角)は等しいです。
- 根拠を書かずに答える:図形は理由が大切。短い言葉でもよいので書けるようにします。
この単元は、後の「多角形の角」「合同・相似」「平行四辺形の性質」「証明」に何度も出てきます。角度を求めるだけでなく、平行を判断するところまでしっかり練習しましょう。
問題に挑戦
-
基礎:同位角(等しい)
2直線 l と m が平行(l ∥ m)で、1本の直線 t が横切っています。上の交点で「右上」の角が 68° のとき、下の交点で「右上」にある角は何度ですか。
ヒントを見る
同じ位置(右上どうし)なので同位角です。平行なら同位角は等しいです。
答えを見る
l ∥ m より同位角は等しいので、下の交点の右上の角も 68° です。
-
基礎:錯角(等しい)
2直線 l ∥ m を直線 t が横切っています。平行線の内側にある錯角の一方が 47° のとき、もう一方の錯角は何度ですか。
ヒントを見る
平行線の内側で、t をはさんで左右に分かれる角どうしが錯角です。
答えを見る
l ∥ m なので錯角は等しいです。したがってもう一方も 47° です。
-
基礎:同側内角(和が180°)
2直線 l ∥ m を直線 t が横切っています。平行線の内側にある同側内角の一方が 112° のとき、もう一方の同側内角は何度ですか。
ヒントを見る
同側内角は平行なら和が 180° です。
答えを見る
同側内角の和は 180° なので、もう一方は 180 - 112 = 68° です。
-
基礎:一直線と対頂角の確認
2本の直線が交わってできる角で、ある角が 35° でした。対頂角は何度ですか。また、その角にとなり合う角は何度ですか。
ヒントを見る
対頂角は等しい、となり合う角の和は 180° です。
答えを見る
対頂角は 35°。となり合う角は一直線なので 180 - 35 = 145° です。
-
標準:平行線+一直線の連結
2直線 l ∥ m を直線 t が横切っています。上の交点の角の1つが 123° です。下の交点でこの角と錯角になる角を求め、さらにその角にとなり合う角も求めなさい。
ヒントを見る
まず錯角で等しい角を決め、そのあと一直線 180° を使います。
答えを見る
l ∥ m より錯角は等しいので、下の交点の錯角も 123°。その角にとなり合う角は一直線なので 180 - 123 = 57°。
-
標準:平行の判定(同位角)
2直線 a と b を1本の直線が横切っています。同位角の一組がともに 76° であることが分かりました。a と b の関係を述べ、理由も答えなさい。
ヒントを見る
同位角が等しいときの「逆の性質」を使います。
答えを見る
同位角の一組が等しいので、平行の判定より a ∥ b といえます。理由:同位角が等しければ2直線は平行だからです。
-
標準:平行の判定(錯角)
2直線 a と b を1本の直線が横切っています。平行線の内側にある錯角の一組が等しいことが分かりました。このとき a と b は平行といえますか。理由も答えなさい。
ヒントを見る
錯角が等しいときも、平行を判断できます。
答えを見る
錯角の一組が等しいので、平行の判定より a ∥ b といえます。理由:錯角が等しければ2直線は平行だからです。
-
標準:三角形の内角と平行線(補助線の基本)
三角形 ABC で、点 C を通り辺 AB に平行な直線 l(l ∥ AB)を引きました。∠A = 52°、∠B = 63° のとき、∠C を求めなさい。途中で平行線の性質を使ってよいです。
ヒントを見る
C を通る平行線を使うと、∠A や ∠B と等しい角を C のまわりに作れます。最後は一直線(180°)か三角形(180°)です。
答えを見る
l ∥ AB より、C のところに ∠A と等しい角 52° と、∠B と等しい角 63° を(同位角または錯角として)作れます。C のまわりで一直線になるので 52 + ∠C + 63 = 180。よって ∠C = 180 - 115 = 65°。
-
応用:文字を使う角度(方程式にする)
2直線 l ∥ m を直線 t が横切っています。同側内角の一方が (3x + 15)°、もう一方が (2x + 30)° です。x を求めなさい。
ヒントを見る
平行なら同側内角の和は 180° です。式を立てます。
答えを見る
(3x + 15) + (2x + 30) = 180。5x + 45 = 180、5x = 135、x = 27。
-
応用:錯角→一直線→対頂角(つなげる練習)
2直線 l ∥ m を直線 t が横切っています。上の交点で、ある角が 40° でした。その角と一直線になる角を求め、さらにその角の対頂角を求めなさい。最後に、下の交点で最初の 40° と同位角になる角も求めなさい。
ヒントを見る
一直線は 180°、対頂角は等しい、平行なら同位角は等しい、の順で追います。
答えを見る
一直線になる角は 180 - 40 = 140°。その角の対頂角は等しいので 140°。また l ∥ m より、下の交点で 40° と同位角になる角も 40°。
-
応用:文章で理由を書く(短くでOK)
角度を求める問題で「この2つの角が等しい」と言いたいとき、次の3つの理由をそれぞれ短い文で書きなさい。①同位角 ②錯角 ③対頂角
ヒントを見る
「〜なので、〜が等しい」という形にします。
答えを見る
①「2直線が平行なので、同位角は等しい。」②「2直線が平行なので、錯角は等しい。」③「2直線が交わってできる対頂角は等しい。」